或る人形が待つ家- あちゅら -

或る人形が待つ家

仄かに暗く
古めかしいﾚｺｰﾄﾞが
擦りきれながら
ゆっくりと繰り返されて
温かな灯が
人形の影映す
時が止まっているかの
ように不変を繰り返して
優しく穏やかに
在るだけの
空間

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主は帰らぬまま
静謐に充たされ歪む
帰らぬ者を
待つためだけに
永劫もまた一瞬
微睡みが支配する

只今の時刻:11/1 17:28.03

眠気に身を沈め
目を閉じる
窓からの月光に
動かぬ人形が笑むのを
瞼の裏に見た気がした
誰かが髪に指先絡ませ
撫でて
けれど
眠気に夢をさまよう
聞こえた懐かしいﾒﾛﾃﾞｨは
知らぬ言葉で
紡がれて
耳に残る
きっと、目覚めてしまえば
忘れているのだろう
美しい夢のように

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